理想の女性像
先日、嫌々ながらも会社の飲み会に参加した。
何が嫌って、次の日に酒が残ってバイクで気持ちよく出掛けられないのが嫌だ。
それに、本社にほとんどいないのに、本社の人と喋ることなんて、無い。
というのをおくびにも出さずに鉄仮面でやり過ごすこと1時間半。
そろそろ終わりだろう、という頃、ある女性社員にこんな話を振られた。
「どういう女性が好みなんですか?」
まず間違いなく他意はないのだろうが、しかしなんだってそんなものをネタに選んだのだろうか。
まあ、思惑はどうでもよかったし、僕がなんと答えたところで何かが起きようはずもない。
いつもの通りに答えておく。
「そうですね。常識のある女性がいいですね。できれば良識と、愛嬌のある女性がいいです」
こう答えるとたいていの場合、容姿の方向に話が流れるか、あるいは気の無い「へぇ……」で終わるのが常なのだが。
彼女はなぜか、もう少し具体的に、と言ってきた。
僕が少し考えてから、
「道の端が歩けて、科学のニュースについて話し合えて、MT車が運転できる女性」
と答えると、
「あ、それはムリですね」
と笑顔を向けられて、あっさりと次の話題へと移っていった。
ムリってなんやねん……。