科学って民主主義「的」。
部屋を整理していたら、古い手帳が出てきた。
開いてみると、いくつか、読んだ本で印象に残った箇所の引用が書いてあった。
こういうのは、ネットで活用してこそと思うので、「格言」タグの記事として残しておくことにする。
引用元:イリヤの空、UFOの夏 その3
イリヤの空、UFOの夏 その3<イリヤの空、UFOの夏> (電撃文庫)
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「科学というのは、自然観察における民主主義だ」
「民主主義というのはだな、無条件で何かの権威を認めたり、すべてに優先する前提を設けたりすることなしに、みんなで物事を決めていきましょうというやり方のことだ。つまり、『王様の命令だから』とか『聖書にそう書いてあるから』とか、そういうのはNGなわけだ」
読んだ当時(たしか高校生くらい)、民主主義=多数決だと思っていた程度のオツムなので、非常に感銘を受けた。
要するに、限りなく真実に近い事実は結局のところ真実の近似値にしかなり得ないというお話なのだけれども、一応理系学科を志望していた当時としては、なんというかこう、あこがれの存在である「科学」が俗世に堕ちて来たような、そういう、感覚があった。
がっかりしたのではなくて、嬉しかったのだ。
ちなみに、変な憧れを持っていた「生物学」というものに、勝手に失望したのは大学も4年になってから。
そんなこんなでソフトウェアエンジニアになったのだけれども。
構成員の規模が大きくなる連れて、全員の意見を尊重するのが難しくなってくるため、民主主義としては必要悪となる「多数決」を導入せざるを得ない。
客観性と再現性こそが科学における錦の御旗であるわけだが、厳密に言えば、あの時の原子と、今この時再現しようとしている原子は異なるわけで、"ある程度の"客観性と再現性があればそれは科学であると、そう認めざるを得ない、そこが多数決、民主主義と、そういう話。
主人公の浅羽より、ヒロインのイリヤより、部長の水前寺が好きだった。
今読んだら、どう思うんだろう。