愚者の能書き

愚か者が愚かなりに考えたことを記録する

修羅場に突入しないでお酒を飲みに行った話。


酒席でのことである。
現在進行形のことなのか、過去のことなのかは判然としなかったが、受けたクレームの内容について、ボスが暴露してくれた。
曰く、こいつはできないとばかり口にする。


過去の事例については思い当たる節はある。
もっと建設的に、こうしたらできる、ということを提案せよ、という訓告につながるのだが、当時を振り返ってみると、たしかに提案は出来た様に思う。


が、しかし、根本的な問題として、やはり解決には至らなかった様に思うのだ。
色々伏せて書くことになるが、簡単に述べるならば、×日までにこれこれしないといけない、という締め切りがあった。
僕はこの件について、確かに、そんなことは不可能です、と回答した。
もし、建設的な意見を言え、と言われたならば、日割りするとこれだけの作業量となり、◯日間このように作業すれば、×日までに完了できます、とは回答出来たとは思う。
じゃあ、◯日間このように作業すれば、というのが可能ごとなのか、と問われれば、やはり僕は不可能です、としか答えられない。
結局のところそれは、建設的に不可能なことを述べているにすぎない。
なので、僕の最初の回答、できません、は決して間違ってはいなかったと思うのだ。


で、じゃあ、本当にできなかったのか、というと、実は出来てしまった。
つまずくと思っていたところが、もっと時間が掛かると思っていたところが、実際にやってみたら、出来てしまったのだ。
ものすごくギリギリだったし、最終的に一人の鬱病患者を生み出して、3年後の退職に導いてしまったのだが、とにかく出来てしまったのだった。
できたことそれ自体は憂うべきことでも嘆くべきことでもなく、喜ばしいことなのだけれども、それを見通せなかったお前の頭が悪いだけ、と言われればそうなのだけれども。
何が問題か、って、今、その時と大体似た様な状況に置かれている、ということだ。


今回僕はまだ、できません、とは表立っては言っていない。
言ってはいないがしかし、雰囲気は、僕だけではなく、メンバー全員が醸し出している。
四の五の言わずに手を動かせよ、と言われれば全くもってその通りなのだけれど、先に見通しを出せ、と言われるのが世の常なのである。


そもそも僕はプロパーじゃない、なんで僕が割り振られてもいないスケジュール作成を行って調整をしなきゃならんのだ、などとは言わない。
それは、いわゆる協力会社のとるべき態度では無い。
口にしてしまえばそれはただの甘えだし、なにより結局困難な状況に巻き込まれること自体を全然回避できないのである。


しかしだからといって、月割りでできない作業量が日割りで計算するとアラ不思議、完遂できるわ、とは口が裂けても言いたく無いのである。
しかも、請われて、お願いされるのならまだしも、自分から言いだしたらそれはただの墓穴である。


おいおい、そんな根性だからクレームが入るのだぜ、と言いたくば言え。
そしたら僕は、だってプロパーじゃないし、と伝家の宝刀で自刃してやる。


そんなこんなで、修羅場突入初日にもかかわらず客先都合で仕事場を定時で追い出され、飲みに行くしかなかったおっさんの愚痴をここで終える。
明日からは、むしろちゃんと修羅場になってくれることを願おう。
後ろへズレればズレるほど、こっちの首が絞まっていくのだから。